1593

豊臣秀吉が使者に「高山国勧降状」を持たせ、台湾に派遣。

1628

台湾に於けるオランドの東インド会社と日本の商船との間で紛争が起き、濱田弥兵衛事件(タイオワン事件)が勃発。

1757

志摩国(現在の日本の三重県)の布施田浦の船「若市丸」が台湾に漂着。

1803

北海道の商船が台湾の東岸に漂着し、船長が日本に帰国した後に、秦貞廉が船長の口述により『享和三年癸亥漂流臺灣チョプラン島之記』を執筆。
牡丹社事件が発生。日本では「台湾出兵」「征台の役」と呼ばれている。

1874

台湾が日本に割譲され、台湾民主国が成立。
総督府が芝山巌学堂を設立し、日本語と台湾語の二カ国で教育を行う。

1895

玉山吟社が結成。メンバーは主に日本人だった。

1896

尾崎紅葉「金色夜叉」が『読売新聞』で連載される。のちに何度も映画化、ドラマ化される。

1897

『臺灣日日新報』が創刊。
台湾総督児玉源太郎が「饗老典」を開催。翌年『饗老典祝辞』を編集。

1898

瀛社を結成。メンバーには台湾人のほかに日本人もいた。

1909

日本蓄音器商会が台湾で出張所を設立。

1910

板垣退助が台湾の紳士と同化会を設立。

1915

噍吧哖事件(タパニー事件)。
森永キャラメルの広告が『臺灣日日新報』

1915

台南州庁(現在の国立台湾文学館)が落成。

1916

平澤丁東『臺灣の歌謠と名著物語』、晃文館より出版。初めての台湾語歌謡関係の専門書である。

1917

東京で台湾の留学生たちが劇団を設立し、尾崎紅葉の「金色夜叉」と「盗瓜賊」を演出。主要な俳優には張深切、呉三連などがいた。
台湾総督府庁舍が落成。

1919

日本の東京で台湾留学生が新民会を結成。
『臺灣青年』が創刊。
佐藤春夫が来台し、その翌年、台湾に関する旅行記を創作。

1921

台湾議会設置請願運動が始まり、謝國文(星楼)が「議会請願運動歌」を創作。
台湾文化協会設立。
在台日本人がゆうかり俳句社を結成、雑誌を発行。王碧蕉らの台湾人が相次いで参加。

1922

在台日本人があらたま短歌社を結成、雑誌を発行。陳奇雲、郭水潭らの台湾人が相次いで参加。

1923

『臺灣民報』が創刊。
日本の裕仁皇太子が台湾を訪問し、視察旅行を行う。

1924

林幼春編集『櫟社第一集』、博文社より出版。
台湾で「麻雀」が流行する。

1925

「治警事件」が発生。蔡培火は獄中で「台湾自治歌」を創作。

1926

賴和が『臺灣新民報』に「一桿「稱仔」」を発表。
佐藤春夫『女誡扇綺譚』、第一書房より出版。
台湾農民組合が設立。

1927

台湾民衆党が設立。

1928

伊能嘉矩『臺灣文化志』、刀江書院より出版。
日本コロムビア株式会社が台湾で会社を設立。
台北帝国大学が創立。

1929

多田利郎が南溟学園社を結成し、『南溟樂園』を発行。郭水潭、陳奇雲らが相次いで同人になる。

1930

謝春木『台灣人は斯く觀る』、台湾民報社より出版。
台湾地方自治連盟が結成。
霧社事件。

1931

王白淵詩集『蕀の道』、久保庄書店より出版。
嘉義農林学校野球部が台湾を代表し、日本の「全国中等学校優勝野球大会」で準優勝を勝ち取る。

1932

台湾留学生が日本の東京で台湾芸術研究会を結成。
巫永福が明治大学文芸科に入学、橫光利一や小林秀雄、山本有三らに師事する。
『南音』が創刊。
台北の菊元百貨、台南の林百貨が相次いで開店。

1933

台湾芸術研究会が『フォルモサ』を創刊。蘇維熊が「臺灣歌謠に對する一試論」を発表。
台湾文芸協会を結成。『先發部隊』(1934)、『第一線』(1935)を発行。『第一線』が「台灣民間故事特輯」を企画する。
楊熾昌が同人と風車詩社を結社。その中には日本人の同人もいた。日本のシュルレアリスムを紹介。

1934

台湾文芸連盟が結成、『臺灣文藝』を発行。
楊逵「新聞配達夫」が日本の雑誌『文学評論』で第二席を受賞。

1935

呂赫若「牛車」が日本の雑誌『文学評論』に掲載される。
楊逵が台湾新文学社を結成、機関誌『臺灣新文學』を発行。編集委員には高橋正雄、田中保男、藤野雄士、藤原泉三郎、黑木謳子ら、在台日本人作家もいた。
日本ビクターが来台し、支社を設立。
台湾で初めての地方選挙が行われる。

1936

李献璋『臺灣民間文學集』、台湾新文学社より出版。

1937

龍瑛宗「パパイヤのある街」が日本の雑誌『改造』で佳作に入選。
太平洋戦争が勃発。
新聞の漢文欄が廃止される。

1939

日本人が台湾詩人協会を結成し、機関誌『華麗島』を発行。台湾人作家の呉新榮、楊雲萍、黃得時、龍瑛宗らが参加。

1940

台湾文芸家協会が結成、機関誌『文藝臺灣』を発行。
呉漫沙『莎秧的鐘』、南方雑誌社より出版。

1941

皇民奉公会が設立。
『民俗臺灣』が創刊。

1942

濱田隼雄『南方移民村』、海洋文化出版社出版、翌年に「台灣文學賞」を受賞。
大東亜文学者大会が行われる。

1943

楊雲萍日本語詩集『山河』、清水書店より出版。
稻田尹『臺灣歌謠集』が出版。
西川満が主宰する『臺灣繪本』が東亞旅行社台北支社より発行。
池田敏雄、西川満の共著で『華麗島民話集』(日孝山房)が1943年に発行。
葉石濤が西川満主宰の『文藝臺灣』で編集助手を担当。
西川満が台湾人作家の郷土ものが国策文学からかけ離れるているとして、「糞リアリズム」と呼ぶ。
台湾文学奉公会が設立。

1944

呂赫若『清秋』、清水書店より出版。

1945

第二次世界大戦が終結。日本が敗戦。
台湾における日本統治が終了し、政権が国民政府に変る。
呉濁流『アジアの孤児』が脱稿。

1946

『中華日報』が2月24日から10月24日まで、龍瑛宗の編集で家庭、文芸、文化欄を日本語で開始。
10月25日、各報刊が日文版を廃止。
葉步月『白昼の殺人』、台湾芸術社より出版。

1947

二・二八事件が勃発。それ以降、日本語の使用が禁止されるようになる。
『新生報』が「橋副刊」(文芸欄)を設立し、台湾の日本語作家に翻訳の場を提供する。

1948

邱永漢が香港に亡命し、1954年に日本に移住。

1949

林亨泰が日本語詩集『霊魂の産声』を自費出版。
台湾で戒厳令が頒布される。
王育徳が日本に亡命。

1950

日本語版『軍民導報』が『台湾新生報』の付録として発行され、軍人と民衆の結束を強める。
1950年代、日本曲を台湾語の歌詞に差し替えた「混血歌」と言われる台湾語がブームになる。

1954

東方出版社が児童雑誌『東方少年』を発行した。日本の資料が主な内容だった。
邱永漢『濁水溪』、現代社より出版。

1955

邱永漢『香港』が日本の直木賞に受賞。

1956

台湾語による最初の現代映画『雨夜花』は、日本の川口松太郎の小説『愛染桂』を改編したものだった。

1959

東方出版社が日本の『東方少年文庫』を中国語に翻訳して出版。

1960

王育徳らが東京で『台湾青年社』を結成し、機関誌『台湾青年』を発行。
日本大使館が、日本映画製作者協会と共に台北で「日本映画鑑賞会」を行う。

1961

台湾でテレビ事業準備委員会が日本の会社4社と共同で「台湾電視公司」を設立。

1963

台湾語映画『金色夜叉』が上映。

1964

笠詩社を結成、機関誌『笠』を創刊。日本の詩や詩論を紹介し、北原政吉、増田良太郎、井東襄、北影一らが参加。
呉瀛濤「日本現代詩史」が『笠』第4期から連載を開始。
王育徳『台灣:苦悶するその歴史』、弘文堂より出版。

1965

陳千武『日本現代詩選』、笠詩社より出版。

1966

翁倩玉(ジュティ・オング)が日本コロムビアより初のシングル『恋ってどんなもの』をリリース。

1967

鍾肇政が日本の作家、安部公房の小説『砂の女』(純文學出版社)を翻訳。

1968

呉建堂が「台北歌壇」を結成。
陳舜臣が『青玉獅子香炉』で日本の直木賞を受賞。

1970

錦連が日本詩論のコラム「詩人の備忘錄」を翻訳し、『笠』に連載を開始。全30篇があり、のちに『錦連作品集』に収録。
陳千武が村野四郎『体操詩集』を翻訳し、笠詩社より出版。
黃霊芝が「台北俳句会」を結成。
1968年、ノーベル文学賞受賞作家の川端康成が台湾を訪問し、「アジア作家会議」に参加。作家の黃得時、張文環、林語堂らと記念撮影。

1971

林文月『京都一年』、純文学出版社より出版。
杜國清(唐谷青)「日本現代詩鑑賞」、『笠』第41期から連載。
尾崎秀樹『旧植民地文学の研究』、勁草書房より出版。
欧陽菲菲が日本で初のシングル『雨の御堂筋』をリリース。

1972

台日国交断絶。台湾では「亜東関係協会」、日本では財団法人交流協会が設置され、両国の交流が続けられる。

1974

鄧麗君(テレサ・テン)が日本の芸能界で活動しはじめる。

1976

台湾の青文社から日本の漫画家、藤子‧F‧不二雄の『ドラえもん』が翻訳され、連載出版される。中国語名は『機器貓小叮噹』。全236冊。

1977

林鍾隆が同人と「月光光」児童詩社を結成、『月光光』児童詩刊を刊行。日本の児童文学界との繋がりを持つ。

1979

北原政吉編集『台湾現代詩集』、もぐら書房より出版。
台湾が海外旅行を解禁、日本への旅行者数が連年増加する。

1980

杜國清『西脇順三郎的詩與詩學』が春暉より出版。
1980年代の日本人学者が台湾文学を研究し始める。

1981

日本で塚本照和を中心にして「台湾文学研究会」が結成。

1984

日本の地球詩社が第一回アジア詩人会議を主催。
陳明台編集・翻訳『戰後日本現代詩選』、熱點文化公司より出版。

1985

葉笛、許極燉、張良澤、劉進慶らが日本の東京で「台灣學術研究會」を結成。
楊熾昌が日本語の随筆集『紙魚』を自費出版。

1986

韓国現代詩社が第二回アジア詩人会議を開催。
北影一編集・翻訳、小海永二、伊藤桂一監修『台湾詩集』、土曜美術社(世界現代詩文庫第一二巻)。

1987

台湾の戒厳令が解除される。

1988

台湾笠詩社が第三回アジア詩人会議を開催。

1989

林文月が日本の平安時代の女流作家、清少納言の『枕草子』を翻訳し、中外文學月刊社より出版。

1990

陳千武が日本の詩人、保坂登志子、安田学と中国語・日本語対訳の児童詩選集『海流』を共同編集・翻訳し、かど創房より出版。
文建會が「中書外譯」(中国語の本を外国語に翻訳する)計画を推進。

1991

日本で「天理台湾研究会」が結成。

1992

賴明珠が村上春樹の短編小説『遇見100 %的女孩』を翻訳し、時報文化より出版。
衛視中文台(衛視中文テレビ局)が一連の日本ドラマを放送し、日本ドラマの市場を開拓。
國興衛視(ケーブルテレビ局)が開局。主に日本のテレビ番組を提供する。

1993

孤蓬萬里(呉建堂)『台灣萬葉集』が出版。
李昂『夫殺し』、藤井省三日本語訳、宝島社より出版。

1994

「台北川柳會」が結成。
司馬遼太郎『街道をゆく 40:台湾紀行』、朝日新聞社より出版。

1996

孤蓬萬里(呉建堂)『台灣萬葉集』が日本の菊池寬賞を受賞。
岡崎郁子が『台湾文学 異端の系譜』を出版。
「哈日」という言葉がはじめて阿杏の漫画「早安日本」で言及される。
「緯來日本台」(緯來ケーブルテレビ放送局)が開局。

1997

日本で「東京台湾文学研究会」が結成、代表は藤井省三。

1998

哈日杏子『我得了哈日症』、時報文化より出版。
日本で「日本台湾学会」が結成、第一期理事長は若林正丈。

1999

台湾921大地震。日本から救難員が派遣され、義援金が送られる。

2000

葉石濤『台灣文學史綱』中島利郎、澤井律之日本語訳、山本書店研文出版部より出版。
莫那能(Mo na-nan)、拓跋斯‧塔瑪匹瑪(Topas‧Tamapima)『台灣原住民文學選集1』、下村作次郎日本語訳、草風館より出版。この台湾原住民文学選集シリーズは2009年までで全9卷を刊行。
芹田騎郎『由加利樹林裡:芹田騎郎台灣原住民生活記錄畫冊&小說』、張良澤中国語訳、前衛出版社より出版。

2001

日本の漫画『花より男子』をドラマ化した『流星花園』が、台湾の「中華電視公司」で放送。台湾初のオリジナル・ドラマ。

2002

錦連詩集『守夜的壁虎』(夜を守りてやもりが……)中国語版、日本語版1セット2冊、春暉より出版。

2003

旧・台南州庁で国立台湾文学館籌備處を設置。
黃霊芝『台湾俳句歳時記』が出版。
錦連が陳坤崙や利玉芳などの台湾詩人の作品を翻訳、紹介し、日本の雑誌『焰』に投稿しはじめる。

2004

黄霊芝『台湾俳句歳時記』、第三回正岡子規国際俳句賞を受賞。
岡崎郁子『黄霊芝物語 ある日文台湾作家の軌跡』が出版。
呂赫若『呂赫若日記』鍾瑞芳中国語訳、国家台湾文学館籌備處。
錦連、許育誠が日本の雑誌『焰』の同人になる。日本語作品を投稿。

2005

第一回「台日学術交流国際会議」が開催。主要な議題は「日本における台湾研究」。

2006

舒國治『門外漢的京都』、遠流より出版。

2007

盧千惠『我心目中的日本』、鄭清清訳、玉山社より出版。
青木由香『麻煩ㄋㄟˋ — 給台灣人的日本人使用説明書』、大塊文化より出版。
国立台湾文学館が設立。

2008

映画『海角七號』が上映。

2009

謝里法『紫色大稻埕』、芸術家出版社より出版。

2010

『華麗島的冒險 — 日治時期日本作家的台灣故事』、王徳威、黃英哲主編、涂翠花、蔡建鑫中国語訳、麥田出版公司より出版。
陳英雄『太陽神的子民』、晨星出版社より出版。
郭正佩『東京.村上春樹.旅』、天下文化より出版。
国立台湾文学館が「台灣文學外譯中心」(台湾文学外国語翻訳センター)を設立。
日本の民間団体が「日台経済文化交流協会」を結成。

2011

東日本大震災が起り、台湾が義援金を送る。
台湾総督府図書館所蔵『享和三年癸亥漂流臺灣チョプラン島之記』の「川北本」(1940年)と言われる写本の復刻版、中央図書館台湾分館より出版。
吉岡桃太郎『台灣囝婿之桃太郎哈台記』、八正文化より出版。
劉黎兒『日本現在進行式』、時報文化より出版。
齊邦媛『巨流河』、池上貞子、神谷まり子日本語訳、作品社より出版。
淡江大学「村上春樹研究室」が設立。
第一回「台湾祭り」が日本の恵比寿で行われる。

2012

第一回「日台文化交流」が日本の池袋で開催される。

2013

一青妙『我的箱子』(私の箱)、聯經より出版。
第一回「台日作家交流論壇」(日台作家東京会議)が、日本の東京大学と趨勢教育基金會が共同主催。藤井省三の主催のもとで白先勇と柯慶明が8人の台湾人作家を率いて東京大学を訪問。

2014

田中実加『灣生回家』、遠流より出版。
鈴木怜子『南風如歌:一位日本阿嬤的台灣鄉愁』、邱慎中国語訳、蔚藍文化より出版。
与那原恵『美麗島まで 沖縄、台湾家族をめぐる物語』辛如意中国語訳、聯經より出版。
映画『KANO』上映。
日本の民間団体「台湾を応援する会」がゆるキャラ「タイワンダー☆」をデザイン。

2015

東山彰良(王震緒)『流』が日本の直木賞を受賞。
田中実加のドキュメンタリー映画『灣生回家』が上映。
直木賞受賞作家、乃南アサの『美麗島紀行』、集英社より出版。
朱天心『三十三年夢』、印刻より出版。
王明理『故郷のひまわり』、陳麗君台湾語訳と中国語訳、玉山社より出版。
牡丹社事件(台湾出兵)をテーマにした巴代の小説『暗礁』が印刻より出版。
陳芳明『台灣新文學史』、下村作次郎、野間信幸、三木直大、垂水千恵、池上貞子日本語訳、東方書店より出版。
国立台湾文学館と六然居資料室、国立台湾歴史博物館が共同で『臺灣新民報』(1932年4月15日-1940年5月26日)を出版。復刻版。

2016

国立台湾文学館が台南州庁建立百年記念および台日交流文学特別展を行う。

参照資料

  1. 葉石濤著、彭瑞金編集、付録「文學年表」『台灣文學史綱(日本語訳注釈版)』高雄:春暉、2010年。
  2. 李筱峰『台灣史100件大事』台北:玉山社、1999年。